初恋を君に
その後、何だかんだと週末は
上条が泊まりに来たり、どこかに出掛けたりという事が当たり前になり
気づけばクリスマスソングが街に流れはじめる季節になっていた。
「来月で今年も終わりなのね〜。」
「クリスマスは文さんはどうするんですか?やっぱり…?」
いつものように社食で
くみちゃんとランチをしている。
私と上条の関係を知っている、くみちゃんのやっぱりの続きは聞かなくてもわかるが…実は特になにかクリスマスの約束をしている訳でもない。と言うより…
「先の約束とか予定とかないんだよね…」
「どうゆうことですか?」
「今度はここ行こうとか、あれしようとかいつもないの。金曜日に明日は暇?とか何処か行こうとか…そんな感じなの。約束とか計画とか特にしないから。私も自分の予定とか入ってたらそっち優先するし、むこうも何も言わないし…だからクリスマスも約束とかしてない。」
「文さん…なんかそれ不倫カップルみたいですよ…」
そう言われてみると…確かに。
どっちも結婚はしていないから
違うんだけどね〜。
「でも美味しいレストランとか予約してますよ。きっと!」
「そうかなぁ?くみちゃんは?クリスマスどうするの?」
「私は家族と一緒に食事します。休みだったら劇場行くんですけどね〜」
「家族とかぁ〜それもいいね。」
くみちゃん…気になる人とはあれから
何も無いのかな?
今度ゆっくり話を聞いてみようかしら…
そんな事を考えていると隣りの席に人が座った。向かいのくみちゃんをみると、
ほんの少しだけ迷惑そうな顔をしているので、隣りをチラッとみると佐山くんがこちらをみて微笑んでいた。
「菊池さん、お疲れ様です。」
「…佐山くん。お疲れ様。」
相変わらずのキラキラの笑顔。
実は会話を交わすのは、資料室で2人っきりになった以来だ。
すれ違い様にあいさつすることはあったが…会話を交わすことはなかった。
「菊池さん。いつ飲みに行きますか?前にお話ししましたよね。来月初めてとかどうですか?都合のいい日教えてくださいよ。」
「あっ…うん。そうね…パソコン見ないとちょっとわからないかな。仕事の具合見ないと何とも…」
上手くはぐらかそうとしてみたが、
そこは佐山くんなのか…
「わかりました。じゃあ…来月第一金曜でどうですか?」
「えっ…あぁ〜うーん。」
「じゃあ決まり。菊池さんの番号聞いてもいいですか?」
あれよあれよと日程が決まり
番号の交換までしてしまった。
すっかり佐山くんのペースだ。
参ってしまう…