初恋を君に
ミーティングルームでの出来事から
2週間ほど経っていたが、
私は会社で上条と顔を合わせることを
避け続けていた。
階が違うので、社食にさえ行かなければほぼ会うことはない。
くみちゃんには、
仕事が溜まっていて…と言って
社食に行く事を断っていた。
ちょうど月末月初と年末が重なっている時期なので断っても怪しまれる事は全くなく、私も!とくみちゃんも社食に行かずにオフィスでお昼を食べることが多くなっていた。
何度も上条からメールは来ていたが、
当たり障りない返事を繰り返しているうちに回数は減っていた。
しかし週末は何しているのか?というメールは必ずくるのでこの2週間は、
予定を無理やり入れて会わない口実をなんとか作っていた。
さて今週はどう言って断ろうか…
「文さん。明日どうするんですか?」
「えっ?明日?」
くみちゃんには上条との一件を
話していない。なのに…そう不思議に思っているとくみちゃんが言葉を続けた。
「佐山さんとの約束ですよ。明日ですよね?確か…」
「あぁ…行くよ。でもランチにしてもらったの。と言うか…予定があるって伝えたら、じゃあランチ行きましょうってなっちゃった…」
「あら。そうなんですか〜。週末の夜は予定ありますもんね!」
「あはは…」
佐山くんとの事も上条との事も、
話したくなくて言葉を濁す。
佐山くんには明日ちゃんと話すとして…
上条ともきちんと話さないと。
頭が痛い…
思わずコメカミを押さえる。
「文さん…大丈夫ですか?」
「大丈夫よ。さて…午後からも頑張りますか!!」
そうですね〜。と言いながらくみちゃんは机の上を片付けはじめた。
とりあえず自分の席に戻ろうとした時に
スマホが震えた。覗くと佐山くんからのメールだった。
お店は任せると伝えてあるので、
待ち合わせの場所の連絡と
とても楽しみにしている旨のメールだった。
うーん。
気が重いなぁ…
でも今後2人では出掛けないことを
きちんと伝えよう。
よしっ!と、もう1度気合いを入れて
午後の仕事に取りかかる。