彼女のことは俺が守る【完全版】
 一番の言葉だと思う。私は海斗さんに美味しいと思って貰いたかったし、好きな味だったらいいと思っていた。そんな私の気持ちを読み取るかのような言葉に私も顔が緩むのを感じる。仕事が終わって買い物をして帰って、それから作るのって楽ではない。


 でも、喜んでくれると頑張った甲斐もあるというもの。


「よかったです」


 海斗さんはあっという間に全部食べてしまったかと思うと、残っているものまで全部食べてくれた。少し多めに作ったものも全部無くなってしまい、それがまた嬉しかった。


「今日は外に食べに行こうと里桜が仕事から帰ってくるのを待っていたら何時の間にか寝ていたみたいだ。でも、そのお蔭で里桜が作ってくれたものを食べれたからよかった」


「普通の料理だから恥ずかしいです」



「俺の好きな料理」


 無邪気に笑う海斗さんの顔を見て、また頑張ろうと思う。でも、真っ直ぐに見つめられると嬉しい気持ちよりも恥ずかしい気持ちの方が増えてくる。それを誤魔化すように私の口から言葉が零れた。


「あの、お仕事お疲れ様でした」


「うん。疲れたけど自分なりに頑張ったと思う。だから、満足している。俺の仕事って周りの評価も大事だけど、そんな中で自分が納得出来るまで出来ることってそんなになくて、でも、今回の監督は…すごく勉強になった」
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