彼女のことは俺が守る【完全版】
「雅さんにお任せします」


「化粧は里桜ちゃんの肌の綺麗さを際立たせるようにしようかと思うけど、今回は結婚式なので、清楚な中にも華やかさが必要だと思うの。花嫁よりも綺麗にしないといけないから大変だわ。私の腕によりを掛けて磨いてあげるから」


 花嫁よりも綺麗にしたいというのはいけないことなのだろうけど、今回に関しては誰よりも綺麗でありたいし、優斗に振られたという事実も気にしてないという風に振る舞いたかった。これは私の中でのリベンジだった。


 雅さんは本当に魔法使いのように私のテクニックを施していく。髪は綺麗に巻き上げられ、どこから取り出したのか、キラキラした銀色の髪飾りで留められている。ピンをそんなにさしてないのに、キッチリと結い上げられているから、少し頭を動かしてもセットが壊れそうもなかった。


 化粧も、基礎化粧からキッチリと初め、何色ものファンデーションを混ぜ合わせ微妙な色合いを作り出し、私の肌に合わせて行く。ピンクの口紅に、ふっくらとするように下唇にはグロスを塗り重ねる。つけまつげではなく、マスカラを駆使して睫毛を伸ばしていく。


 チークは少し濃いめで、顔全体にはパウダーを乗せていく。一枚のベールを被せたように整えられた肌には毛穴が見えないほどに綺麗に化粧がされていた。雅さんは魔法が使えるのではないかと思うくらいに、化粧をしてくれた。鏡の中に移っている私は今までで一番綺麗に見えるのは間違いない。
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