彼女のことは俺が守る【完全版】
 そんなメールを見て、携帯の画面の上部を見るとそこには木曜日の表示がある。


 今日は木曜日で、金曜日ではない。

 
 優斗と会うときは仕事が忙しいからという理由で金曜日の夜が多かった。私のマンションか優斗のマンションで金曜日の夜から日曜の夜まで一緒に過ごすことが多い。それなのに今日は木曜日な上にメールでのお誘いとなると私にとってはサプライズなプレゼントを貰ったような気がした。


 嬉しい。


 それが私の心に浮かんだ素直な言葉だった


 午後の始業前で良かったと心から思う。もしも、これが定時以後に気付いたらきっと私は慌ててしまったと思う。でも、今なら、時間の配分をしながら仕事を終わらせることが出来るだろうし、少しでも優斗を待たせる時間を減らすために私は頑張って仕事を終わらせようと意気込むだろう。午後からの仕事に目標が持てる物だと思った。


 それにしても優斗に会えるのは何時振りだろう。


 最初は私の仕事が忙しさを増してきて、その後に始まったのが優斗の出張。ここ半年くらいの間に急に優斗の出張の回数が増え会えない時間が続いていた。『久しぶりに会いたい』と言うと、『新しい部署に変わったから仕方ない』と言われ、会える日が激減していた。


 そして、この頃は時間が合わなかった。


 寂しいとは思ったけど、私の仕事も忙しかったから優斗の時間にばかり合わせることも出来なかった。

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