strange
その帰り道、まっすぐ歩くことも出来ないほど私は衰弱していた。

食べ物も飲み物も受け付けなくて、何度も吐いた。


赤信号で止まっていると、自転車が目の前で転倒した。

雨上がりで滑ったのが原因だったのだろう。

一気に血の気がひいていき、私は叫んだ。
どうにかバランスを取ろうと、心の中で抑え込んでいた何かが壊れていく…


信じなきゃ…そう思う片隅で自分を責め続けることをやめることはできなかった。

そして、目覚めた時、私は慧を忘れていたのだ。


最低だ。

私は逃げたんだ…

私は弱い。

私は卑怯だ。

こんな自分が大嫌い…
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