政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
願い事
「志津香、野菜足りる?」
『うん、大丈夫!ビールはまだある?』
「足りなーい」
「あ、私が持っていくね」
『お願いね、美紗子』
赤城の両親に会ってから3週間
今日で志津香は20歳になる
誕生日プレゼント、何がいいと聞いたら
『みんなでバーベキューがしたい』
そう言いだした
少し広いバルコニーに
コンロに椅子にテーブル、
そして、望遠鏡
俺と光哉くんはビール片手に肉や野菜を焼いている
「はーい、ビールお待たせです」
相変わらず元気な美紗子ちゃん
「ありがとう。あ、美紗子ちゃん、この前はありがとうね」
志津香に聞こえないように言うと
「何言ってるんですか!志津香の一大事じゃないですか!いつでも言ってください。それより、今日、お邪魔して良かったんですか?だって、今日は…」
今日は志津香の誕生日
二人でお祝いするのもいいだろう…が、
「うん、平気。志津香が望んだことだから大丈夫。二人でお祝いなんて、明日にでもできるし、昨日もしたから」
申し訳なさそうな顔をしていた美紗子ちゃんは「連チャンすごい」と自分のことのように喜んでいた
『ねえ、流星群は見えた?』
いや、まだ
なんて答えるが、まったく空を見ていない
なんでも、何年に一度の珍しい流星群が観れるという