政略結婚から助けてくれたのは御曹司様

願い事




「志津香、野菜足りる?」


『うん、大丈夫!ビールはまだある?』


「足りなーい」


「あ、私が持っていくね」


『お願いね、美紗子』




赤城の両親に会ってから3週間
今日で志津香は20歳になる


誕生日プレゼント、何がいいと聞いたら
『みんなでバーベキューがしたい』
そう言いだした



少し広いバルコニーに
コンロに椅子にテーブル、
そして、望遠鏡


俺と光哉くんはビール片手に肉や野菜を焼いている



「はーい、ビールお待たせです」


相変わらず元気な美紗子ちゃん


「ありがとう。あ、美紗子ちゃん、この前はありがとうね」


志津香に聞こえないように言うと


「何言ってるんですか!志津香の一大事じゃないですか!いつでも言ってください。それより、今日、お邪魔して良かったんですか?だって、今日は…」


今日は志津香の誕生日
二人でお祝いするのもいいだろう…が、


「うん、平気。志津香が望んだことだから大丈夫。二人でお祝いなんて、明日にでもできるし、昨日もしたから」



申し訳なさそうな顔をしていた美紗子ちゃんは「連チャンすごい」と自分のことのように喜んでいた



『ねえ、流星群は見えた?』



いや、まだ
なんて答えるが、まったく空を見ていない

なんでも、何年に一度の珍しい流星群が観れるという
< 126 / 136 >

この作品をシェア

pagetop