政略結婚から助けてくれたのは御曹司様



「お久しぶりですね、志津香さん」


総会から2ヶ月たった日
堂本陽介さんから誘いがあった
会いたくない、


けど、彼はもう私の婚約者だ


二人きりにはなりたくない
そう思うが、そうもいかない


『お久しぶりです』



本当は現地集合、現地解散が
一番良かった
けど、そうはいかないだろう


高級外車のエンブレムがピカピカ光っている白のセダンで迎えに来た陽介さん


助手席のドアを開け、どうぞと
私を迎えてくれた


乗らないわけにはいかない、
ありがとう、といい、車に乗り込んだ




「まさか志津香さんがOKしてくれるなんて思わなかったよ」


車を走らせながら、陽介さんは容器に話しかけてきた


今日は私の名前を呼んでる
それだけで、少しだけ気持ち悪さが薄れる



「まあ、会社のための結婚だからね。仕方がないのもわかる」



陽介さんの続けた言葉に寒気がした
陽介さんは赤城が倒産危機なのを知っている


「これから夫婦になるんだ、仲良くやっていこうね、志津香さん」


陽介さんは運転しながら不敵な笑みを浮かべていた


志津香さんと呼ばれたのに
私には果穂ちゃん、と聞こえてしまう



怖い……助けて……



誰にも言えない
こんな恐怖から救ってくれる人なんて
誰もいない。
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