百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
男性の言葉に、九条は何も答えずに睨み続けて
やがて私の手をぐい、と引っ張った。
「行くぞ……。」
「!…ちょっ………九条?!」
強引に私の手を引っ張る九条に、私は無理やりその場から連れて行かれる。
「え…な…なんで…?!」
「いいから、来い!」
抵抗も虚しく、私はずるずると九条に続いて路地を歩き出す。
するとその時、背後から男性の声が聞こえた
「またゆっくりお話しましょうか。
……“佐伯 詠さん”。」
───え?
いま……なんて………
驚いて振り返ると、そこにはもう男性の姿は無かった。
……な……なんで私の名前………。
その時、九条がぴたり、と立ち止まった。
そして、振り返るなり、私に怒鳴る。
「……ったく!お前、なんでこんなトコにいるんだよ!!」
うっ…!
あまりにも激しい怒り方に、私は小さくすくむ。
「忠告しただろ。“妖の世界から手を引け”って。
危機感っつーもんが備わってねぇのか!お前には!」
その言葉に、私は目を見開く。
「え、さっきの人“竜ノ神”の関係者なの?」