百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
九条は、何事もなかったかのように再び歩き出す。
………え?
私は、ぽかん、として、動揺の一つもしていない九条の姿を見つめた。
……緊張した私がバカみたい。
男慣れしてない証拠だよね…。
私は、九条の後に続いて歩き出す。
「あの…私、来る時こんな道通ってないよ?
ずっと一本道だったもん。」
「ここは入るのは簡単だけど、出るのは厄介なんだよ。
………ったく、手間かけさせやがって。」
九条は、はぁ、とため息をつきながら言う。
な……何よ。
だいたい、九条がこんなところに来るのがいけないのに…。
………後をついて行ったのは私の責任だけど…。
私は、九条の横顔をちら、と見る。
さっき、あんなに怒鳴るなんて思わなかったな……。
そんなに、妖と私が関わることが気に触るの?
こいつ……一体どういう奴なの?
「……ねぇ……」
私は、九条に向かって尋ねる。
「あの男の人が言ってた、“加護者”って、何なの?」