百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
すると、九条は少し黙って、小さく答えた。
「“加護者”ってのは、お前みたいに竜ノ神に気に入られた奴のことだよ。
……妖を浄化したりする力が、普通の奴に比べて大きいんだ。」
へぇ………
そんな人がいるんだ。
じゃあ、私、周くんたちよりも妖を浄化する力が強いってこと?
って、なんで九条はそんなこと知ってるの?
私が目を細めて彼の顔を見ていると、九条はピタ、と立ち止まって、私の方に振り返った。
「ん。出口。
…こっからは道わかるだろ?」
!
はっ、として、路地の先を見ると、そこは私が足を踏み入れた場所だった。
“逢魔街十三番地”の看板もある。
………ここに出られたんだ…。
なんか、不思議な感覚。
今あったことが、全部夢みたい。
私がきょろきょろ、と辺りを見渡していると九条が私に声をかけた。
「おい、詠。もう、この路地に近づくんじゃねぇぞ。
あの男とも、もう会うな。」