百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
あっ、そうだよね
わかりました………
私が頷いて、お礼を言おうとした時、
はっ、と違和感に気がついた。
「…今、私のこと“詠”って呼んだ?」
「あぁ。……何だよ。」
?!
私はつい、言葉を詰まらせる。
なんでいきなり名前呼び?!
周くんにも“佐伯さん”呼びされてるのに!
私が複雑な表情を浮かべていると、九条は目を細めて口を開いた。
「呼び方なんて、何でもいいだろ。
お前だって、俺のこと最初フルネームで呼び捨てだったくせに。」
うっ。
確かに。
「…お前も俺のこと“遥”って呼べばいいだろ
………俺の言ったこと、ちゃんと頭に入れとけよ。」
な……何なのこいつ。
本当に本心が読めない。
私が唖然としていると、歩き出そうとした九条は、くるり、と私の方へ振り返って
そして、にや、と笑いながら言った。
「お前、俺に興味があるんだとしても、もうストーカーまがいのことすんじゃねぇぞ?
…俺のこと知りたいなら、いつでも部屋に行ってやるから。」