百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
どくん、と胸が鳴った。
遊馬は、私と周くんを交互に見て「なんだ?今朝のことって?」と首を傾げる。
周くんは、遊馬と私を見ながら口を開いた。
「九条 遥のこと……。
佐伯さんとどんな関係かは知らないけど、これから一緒に過ごしていく上で、話さなくちゃいけないことがあるんだ。」
私は、何も言わずに周くんの言葉の続きを待つ。
すると、周くんは私の予想をしていなかった言葉を口にした。
「九条 遥は、この事務所の敵対組織、
“フォックスカンパニー”の一員だよ。
奴らのトップも、竜ノ神の宝石を自分のものにしようとしていて、長い間、芝さんとライバル関係にあるんだ。」
“フォックスカンパニー”?
私は、首を傾げた。
聞いたことない名前だな……
…あ、そりゃそうだよね。
妖の世界の名前なんて、私が詳しいはずないもん。
“フォックス”カンパニーのトップってことは社長は化け狐?
……どこまでいっても、狸と狐は敵同士なんだな。
すると、それを聞いた芝狸は、ばっ、とクッションから身を乗り出して口を開く。
『なに?!小娘!カンパニーと繋がっておったのか?!
あんな詐欺狐が率いる集団と関わりを持つなんて……わしは許さんぞ!!』