百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
芝狸は、周くんの話を聞き終わると、私に向かって口を開いた。
『カンパニーのトップは、“葛ノ葉 紺(くずのは こん) ”と言ってな
わしと同じく妖じゃが、普段は人間の姿をしておる。』
へぇ…そうなんだ。
変化の術、的な?
私は、狐耳の生えた男の人を想像してみた。
芝狸は声を荒げて私に言う。
『あいつは宝石を得るという目的のためなら手段を選ばないような非道な奴じゃ!
今思い返しても、イライラするわい!』
尻尾を逆立てて、威嚇するように視線を鋭くした芝狸を遊馬がなだめる。
……相当仲が悪いんだな…。
遥が“敵同士だな”って言ってた意味が、ようやくわかった。
……どちらの組織が、先に竜ノ神の力を手に入れられるか。
それが一番重要なことだ。
「その紺って妖は、竜ノ神の宝石を手に入れて何を願おうとしているの?」
私が尋ねると、遊馬が腕を組みながら答えた
「奴は最強の妖力を手に入れて、妖界の実権を握ろうとしてるんだ。
簡単に言えば、“妖の王様”になりたがってるってトコかな。」