百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
“妖の王様”……。
芝狸とそう変わらないって感じか。
目的が一緒だからこそのライバルなんだ。
その時、周くんが私の方を見て言った。
「七時になったらここを出ようか。
妖が集まるのは住宅街だから、頻繁に出没するところにヤマを張って行ってみよう。」
私は、どくん、と胸が鳴った。
……ついに、私は“普通の女の子”を卒業してしまうんだ。
妖を妖界に帰すなんて、想像できない。
……周くんと一緒に居られるのは嬉しいけど
私は、そんなことを考えながら、事務所のソファに座る。
すると、遊馬が芝狸を見て、言った。
「カンパニーの奴らが動くことも予想されるよな?」
すると、芝狸は低い声で『十分あり得る。』と答えた。
……ということは、遥も現場に来るかもしれないってこと?
私は、言葉に出来ないようなモヤモヤした思いを胸に、時が過ぎるのを待ち続けた。