百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜
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夜七時五十分。
私は芝狸に連れられ、妖がよく現れると言われるスポットに到着した。
辺りはもう真っ暗。
田舎町のせいなのか、人通りは少ない。
「…緊張してる?」
周くんが、私の顔を覗き込んで尋ねた。
ドキ、と胸が高鳴る。
「ち…ちょっとだけ…。
上手くできるか、不安かな…。」
私が意識してるのバレバレな声でそう言うと
周くんは優しく微笑んで、私の方に手を伸ばした。
ぽんぽん
軽く頭を撫でられる。
っ!!!
顔が、ぼっ!と赤くなった私に、周くんは微笑んで言った。
「大丈夫だよ。僕も相楽くんもいるし。
佐伯さんは加護者だから、浄化しやすいと思うよ。」
周くん、優しい…。
仕草まで王子様なんだもん。
私の顔が少し赤いのに気づくと、周くんは私から一歩離れて言った。
「ごめん、馴れ馴れしかった…?」
「いや、全然っ!!…嬉しい……です。」