百鬼夜行 〜王子と狸と狐とアイツ〜



……あぁ…心臓持たない。



周くん、毎回頭ぽんぽんしてくれるのかな?

そしたら最高だなぁ、このバイト。



私が目をハートにした

その時だった。


突然芝狸が空を見上げて叫んだ。



『いたぞ!妖じゃ!

お前たち、早く鬼火銃を出すんじゃ!』



えっ?!

妖がもう出たの?!



私が驚いて見上げると、そこには見たこともない異形な生物がいて

空をうようよ飛びまわっていた。


私は目を見開いてその光景を見つめる。



嘘……?!

妖って、こんな簡単に見えたっけ…?!



すると、遊馬がワクワクしたように空を見上げながら私に言った。



「すげー見えるだろ?鬼火銃の持ち主だと、妖が見えるようになるんだぜ。」



へぇ…!そうなんだ!


私が気づいてないだけで、今まで、空にはこんなにたくさんの妖が飛んでたのね。



その時、じわっ、と胸元が熱くなるのを感じた。



……竜ノ神につけられた印が反応してる…。



急に、鼓動が速くなる。



…なんか、緊張してきた。



その時、遊馬と周くんが、ばっ、と胸に光るネックレスの鎖を外した。


金色のチャームは、一瞬で鬼火銃の形に変わる。



『小娘も早く出さんかっ!』



!!



芝狸が私を見て叫ぶ。



そ…そうだ!私もちゃんと仕事しなくちゃ!



私は急いでネックレスのチャームを外した。


金色の鬼火銃が私の手の中で輝く。


たちまちチャームは拳銃の形へと変わり、ずしっ、と私の手に収まった。



……重い…。



私は、心の中でそう呟く。



…妖を撃つという行為は、少し怖い。


殺さないってわかっていても、私の銃は重い



「佐伯!銃を構えろ!」


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