居場所をください。



「なんかただ普通の会話してるだけだから

緊張するけど楽しいね。」


左側にいる高城くんが話しかけてきた。

いつもそこには貴也がいるから

なんか変な感じ。


「うん、そうだね。

教室にも人で溢れてるし

なんか前の学校に戻った気分で楽しいや。」


それから監督のOKがでて

次は他の男の子と楽しそうに話す貴也を

私が愛しそうに見つめるシーン。


それを大橋さんが睨んでみている、というシーン。



まぁここは楽だ。

貴也を見るだけだもん。


すぐにOKがでて、

次は私が大橋さんにいじめられるシーンだよね。



「すみませーん、少し変更します!」


えぇ、どんだけ急なの。


私たち4人は監督に近寄る。


「次は放課後の教室で

高城くんが五十嵐さんに告白しよう。


五十嵐さんは少し困るけど

ごめん、って感じにして。

でも断るまでに間を長めにとって。


で、そんなシーンをたまたま松野くんが見る。

それを見て落ち込んだように立ち去り

その場面を大橋さんが見て、

松野くんの本当の気持ちに気づく

っていうシーンで。


ごめんね。尺が足りないんだ。」


まぁそういうことなら仕方ない。


「わかりました。」


えーと、告白のシーンね。


「高城くん、どうする?」


「俺に背を向けたままにして。

美鈴ちゃんの背中に告白するわ。

美鈴ちゃんはそのまま下向いて断ってくれればいいし。」


「了解です。」


それを監督にも伝えて

監督と高城くんがカメラマンさんにも伝えて

撮る絵が決まったところでいきなりスタンバイ。



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