居場所をください。



「ごめん。」


俺は後ろから美鈴を抱き締めていた。


「美鈴のこと好きだから。

美鈴が佐藤さんと話してんのみて

俺も対抗してた。


美鈴にも嫉妬させたかった。

ごめん。」


静かになった教室で

俺の声だけが響く。


「…嫉妬なんて最初からしてたよ。」


「え?」


「大橋さんは貴也のキスの相手だから。」


「そんなことかよ。演技じゃん。」


「そうだけど…。」


「ごめんな。

俺がもっと考えればよかったな。」


「…私もごめん。」


はは、よかった。


「美鈴、こっち向いて。」


「ん?」


顔だけ向けた美鈴に

俺は抱き締めたままキスをした。


唇が離れて微笑み会う俺たちに……………


「よし、いいの撮れた~!」


「……………は?」


嬉しそうに言ってる長曽我部さんが

理解できない。


撮れたってなんなわけ?


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