居場所をください。
翌日
「ママー、ご飯。」
お昼に起きた私は支度をしてから
一人でご飯を食べる。
「またこんな遅く起きてきて…。」
「休みくらいいいじゃん。」
この人は施設長。
私を拾った張本人だ。
「またカレー?」
「文句あるなら食べなくてよし。」
「食べます。いただきまーす。」
人数が多いから
いっぺんに作れる鍋料理が多いのだ。
ママのことは嫌いじゃない。
この人の愛は感じる。
それに、この人に育ててもらった恩はあるから。
夏音の他に唯一心を許せる人間だ。
「ごちそうさま。
おいしかった。」
「お粗末様。」
「出掛けてくる。」
なるべくここにはいたくない。
ママ以外とは話したくない。