居場所をください。
「そこの白い門。」
「はいよ。」
「通りすぎたところで下ろして。」
「はいはい。」
亜樹の指示で長曽我部さんが運転する。
こういう光景初めて見るなぁ。
「到着。」
「さんきゅ。」
「ありがとね。」
「美鈴、遅くなんなよ。
明日寝坊するからな。」
「う……気を付けます。」
「じゃな。」
私たちが車から降りると
長曽我部さんはさっさと行った。
「ねぇ、亜樹。」
「あ?」
「電話したときなんで機嫌悪かったの?」
「あぁ、あれはお前の電話のタイミングが悪い。」
「なんかしてたの?」
「まぁちょっとな。」
「言えないのね。」
「つかこっち。」
「え、あの白い門じゃないの?」
「入り口はこっち。」
ふぅん。