居場所をください。



「でっか。」


「金持ちだからな。

インターホン押さねーといけないのが

颯太んちの難点だな。」


そう言いながらインターホンを押す亜樹。


「いや、普通どの家も押すけど。」


「お前も俺んちの押さなかったろ。」


「そりゃお店だから。」


「ひかるくんちは押すわけ?」


「鍵持ってるから押さない。」


「お前も押してねーだろ。」


『開けたよー入んないのー?』


インターホンから聞こえる颯太の声。


「あぁ、入る。」


私たちは門を開けて中へ入った。


「インターホンってなかなか押さないね。」


うちもほとんどならないや。

貴也がいた頃はたまに貴也が押してたくらいだし…


うわ、思い出しちゃった。

忘れよ、忘れよ。


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