居場所をください。



「それよりどこ行く?」


「買い物。

美鈴、年明けすぐファッション誌の撮影あるし。

3着を着まわしで私服撮影だなら枚数いるし。」


「結局仕事のことですか…。」


「俺も服買いたいし。

買いにいく暇全然ないしな。

隣の県のでかいショッピングモール

俺いってみたかったし。」


「あ、施設にいた頃テレビで見た。

私もいきたーい。」


「つーことで今日はウィッグで行けよ。」


「はーい。」


何色にしよう。

うーん。

ブラウン、まだかぶったことないし

ボブだしあれにしよう。


髪の毛切れないし。


「ごちそうさま。」


「早めに支度しろよ。」


「うん。」


私は部屋に戻って化粧をした。

仕事のときみたいに濃くないのに

佐々木さんより時間のかかる化粧。

あっという間に時間が過ぎてしまう。


あとはウィッグをかぶって…


よし。別人だよね。

服も完全プライベートモードの

おとなしめ。


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