居場所をください。



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「どうもありがとー!」


走って、踊って、歌って

とりあえず幕が下りた。


「お疲れ。」


幕が下り、ステージの明かりが消えると

すぐに長曽我部さんが来た。


「うん、ありがと。」


私が汗だくなのに

長曽我部さんは私を支えながら歩いてくれる。


私はステージ脇にある更衣室に入り

すぐに化粧を落としてもらい、

エアコンで涼しくなった部屋で汗を拭く。


「アンコールまで15分だから

とりあえずこれに着替えて。」


「はーい。」


私は佐々木さんに渡された衣装に

すぐに着替える。


最後はツアTと赤いショーパンに、

グレーのインヒールスニーカー。

どこまでもヒールだ。


「はい、オッケー。」


着替えたら次はすぐにメイク。

さっきと同じメイクを5分でしてもらいながら

別のスタッフに髪の毛を巻いてもらう。

私一人にたいしてスタッフ5人。


す、すごい……



「はい、リップは自分で塗るよね?」


「うん、オレンジピンク系がいい。」


「はい、じゃあこれね。」


私は佐々木さんに渡されたリップを塗ると

巻き終えた髪の毛を、佐々木さんが

ツインテールにする。


「アイドルみたい。」


「金髪で、濃い化粧でするから

どう見てもはっちゃけたギャルだよ。」


「はは、そっか。」


前髪だけ茶髪だしね。


「はい、出来た。」


「よし。」


最後にティアラをつけられて

私は立ち上がった。


部屋の前には長曽我部さんが待っていて

私はすぐにトイレに行って

水分補給をして、スタンバイ。



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