居場所をください。




「え、あれ……」


方耳イヤホン取れた……



「何見てんの?」


かと思ったら隣には隼也。

仕事モードの、だけど。


「私へのメッセージだってさ。」


隼也は1つイヤホンを耳につけたので

私もそのままビデオを見ていた。


隼也は見てて面白いのかわからないけど

私は幸福感に包まれる。


「いいよなー、歌手って。」


「え?」


「こうやって直接ファンと会えるだろ?」


「隼也だって舞台やってるじゃん。」


「あれは俺のファンだけじゃないから

俺のファンは見に来てる人少ないし。

こういうのもないしな。」


すぐ隣にいるし、

動くとイヤホンが取れてしまうから

隼也の表情まではわからないけど


やっぱり歌手って贅沢なのかもしれない。

お互い、伝え合う機会が多いから。



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