居場所をください。




『なんだよ。』


「眠れないよー。」


『知るかよ。』


「弘希今なにしてんの?」


『電車が止まったっぽくって

渋谷で足止め。

人身事故だとさー。』


「え、バイトだったの?」


『いや、土産を置きに行って

店のやつと話し込んでた。

で、一旦帰ったら電車止まってるし

スマホをバイト先に忘れてることに気づいて

それを取りに戻ってまた渋谷戻ったら

今度は補導されて、親に連絡行ったけど

なんか繋がんねーみたいだし

まぁ親が渋谷署で勤務してるって言ったら

身元確認して、やっと解放されたとこ。』


「なにそれ、ばかじゃん。」


『しかたねーだろ。

こんな時間に電車を止める方が悪い。


あ、そうだ。

美鈴んちこっから近いじゃん』


「今私が家にいないからダメだよ。」


『なんだよ、使えねーな。』


「……とりあえず親がダメなら

長曽我部さんにでも連絡すれば?」


『父さんに連絡したって

迎えには来ねーよ。』


「なんで?」


『美鈴が自分ちにいないってことは

どうせ父さんちに泊まりなんだろ?

美鈴を置いて迎えには来ない。

かといって美鈴があの臭い車に

また乗ってくるとは思えねーし。』


……なんだ、また私が邪魔をしてる。

私はいったいこの家族に何回迷惑をかけたのだろう。


私はここにいていいのかな……


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