居場所をください。



夢なんじゃないか

これは都合のいい幻覚なんじゃないか


そう思うけど

この温もりや抱き締められてる力は

やはり確かなもので


ここにいる貴也はやっぱり本物で……


「いい加減泣き止めよ。」


「だって…」


どんだけ会いたかったと思ってるの。

ずっと会いたかった、話したかった。

近そうで遠い距離がほんと辛かった。

一人が辛かった。寂しかった。

信じて待つことは本当はもうしたくなかった


「はいはい、俺のせいだな。」


貴也はそういったまま

私の気がすむまでなにも言わなかった。

ずっと抱き締めたまま

私の頭を撫でていた。




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