居場所をください。



5分後ー


「ほらよ。」


「あ、ほんとにあった。

ありがと!帰ったら聴かないと。」


「それより今日はCD届けにいかなくていいのか?

昨日行けなかったろ。」


「あ、うん。行く行く。

夕方時間あるっぽいし、着替えてから行こうかな。」


「そうだな。

俺は行けねーけど。」


「いいよ、もう一人で行けるもん。」


「お前も成長したな。」


「いつまでも立ち止まっていられないからね。」


強くなったってもんでしょ。

…それに、貴也と初めてを迎えたからか

昔の記憶なんて、どうでもよくなった。

上書き保存だね、完全に。


━━━コンコン


「松野くん、五十嵐さん

そろそろスタンバイお願いします。」


「はーい。」


今日は上映後に舞台挨拶。

先に映画を見るから眠くなりそう。


「ってかさ、美鈴映画の時と全然違うけど

それでいいわけ?」


「いいんじゃない?

完成形がこれだから。」


貴也はまだ髪の毛が赤い。

矢島くんも、加藤くんも髪の毛はそのまま。

………私だけかな、こんな違うの。


「逆に美鈴も貴也たちと馴染んでんじゃね?」


「どこが。

私はあんなヤンキーじゃありません。

一緒にしないで。」


「でもその見た目と気の強さからして

あんま変わらないよな。」


………貴也までそんなこと言わないでよね。



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