居場所をください。
「あの、ありがとうございました。
沖野さんの歌うBestfriend、
すっごくよかったです。」
「そう?よかった。
でも、あれはやっぱり
美鈴ちゃんの綺麗なハモりのおかげだよ。
むしろ、歌わせてくれてありがと。」
「私、映画を観るまで誰が歌うのか
全然知らされてなくて、
今日映画観て沖野さんの歌声聴いて
本当もう泣きそうでしたよ。
私のセリフがかぶってて邪魔で。
今日はもう帰ってこれ、エンドレスですよー」
「私もね、あの歌詞大好きなの。
はじめて聴いたとき泣きそうで
すっごい我慢したくらい。
子供の頃の私に聴かせてあげたいくらい。」
沖野さんは少し切なそうに
だけど愛しそうにそう言った。
「…あれは昔の自分への
メッセージでもあるんです。
両親に捨てられて、誰にも愛されてないって
自暴自棄になったことがあって。
だから、誰にも愛されてなくても
私は私を愛してるからって。
自分で自分を捨てるのはもうやめようって。
ここにきて気づいたんです。
自分で自分を愛さないと
誰にも愛してもらえないって。
そんなことに、やっと気づいたんです。」
「…そうだよね。
私もさ、一人で東京出てきて
いろんな男と寝てきたけど
やっぱりその程度の女だったの。
愛から逃げてたから、
私はみんなに見捨てられてた。
愛してほしいなら、まず自分から、だもんね。」
「………はい。」