居場所をください。



「そばで守ってるのだけが

ひかるくんの役目じゃないよ。

家族っていうのはね

離れていても愛を感じるもの、でしょ?

ひかるくんはひかるくんの場所で

今の美鈴ちゃんを見守ってあげるの。

美鈴ちゃんがいつひかるくんを頼ってもいいように

いつでもちゃんと見てあげるの。

…逆に言えば、

また美鈴ちゃんが頼れるような

そんな存在にならなきゃ。

今のひかるくんは頼れないから

ここに来てるんだからさ。」


「………わかった。」


「よし、じゃあ

美鈴ちゃんの顔でも見てく?

さっきようやく眠ったから。」


「寝てんの?」


「うん。

夜は眠れなかったみたいで

さっきやっとね。」


「…じゃあ少し。」


「ん、じゃあ亜樹の部屋ね。」


「………あのさ、

泊まらせるのはわかったんだけど

亜樹の部屋で寝かせるわけ?」


「美鈴ちゃんは亜樹の部屋がいいんだって。

亜樹の部屋って亜樹の香水の香りするし

あれがすっごい好きなんだっていってたよ。

ま、亜樹を別で寝かせるか

同じ部屋で別々か、かな。

亜樹が美鈴ちゃんになにかするとは

思えないしね。」


…………かといってそれ、どうなんだよ…



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