居場所をください。



それから中へ入ると


「瑠樹。」


高橋を呼ぶ、落ち着いた男性の声に

私たちは一斉に振り向いた。


「あぁ、親父。連れてきた。」


「え、高橋のお父さん?

この方が?

………似てないね。」


高橋のヤンキーさとは真逆の

かなり真面目そうな人がそこにはいたから。


「いつも瑠樹がお世話になっています。」


そうやって、私に頭を下げてくるくらいに。


「い、いえ…

この度はありがとうございます。

私の要望を聞いてくださって…」


「いえ。

もう勾留期間も終了しますし

家族の面会などもできますので大丈夫ですよ。

ただ逮捕されたのが薬物使用だったのもあって

禁断症状が頻繁に出ていることもあって

慎重にはなっているのが現状です。

突然面会できなくなることもあります。

なのでもし話がある場合は手短に話してください。

そして覚醒剤使用をやめた今、彼らは

鬱状態に近いところがあります。

なので、精神的に不安定になるような発言は

謹むよう、お願いします。」


「わかりました。」


注意事項、といったところだろうか。

手短にそれをきき、

私たちは高橋のお父さんのあとをついていった。



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