居場所をください。



「彼もね、後藤プロの一員。

私のことなんか、性処理にしか使ってなかった。

私のことなんか見てなかった。

………バカだよね、私。

そんな彼のことを本気で愛して。」


「………そんなことないですよ。」


「私は本当に好きだった。

だからおろすことなんて、やっぱりできなかった。

………だから、一人で育てる覚悟で産んだの。

だけど、事務所は孟反対した。

その時私は乗りに乗ってたから、

手放してくれなかった。

桁外れの違約金を要求してきてさ…

取り立てもヤクザみたいな感じで

親を怖がらせないためには

私が続けるしかなかったの。

………だから、私は家を出た。

実家を出て、子供を捨てた。

私にはそれしか方法がなかった。

あんなに愛した人の子供だから

私には、殺すなんて選択肢を

選ぶことはできなかった。

中絶はできなかった。


そしたら五十嵐さんが芸能界に入ってきた。

親を探してるあなたが、

まるで私を責めてるみたいで

私はあなたが嫌いで仕方なかった。


事務所は大手で、マネージャーに恵まれ

芸歴の長い松野くんを彼氏にして…

そんなあなたが妬ましかった。


………それが、私の本音。」


初めて見た大橋さんの素顔は

とっても寂しい顔をしていた。



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