居場所をください。



それから大橋さんは時間となり、

この部屋から出ていった。

とても穏やかな表情をして、

ドアの向こう側にいった。

きっと、もう大橋さんは大丈夫。

前に進めるはず。


「お待たせしました。」


そんな大橋さんと入れ違いに

和也が私の前に来た。


「………美鈴が、面会者…?」


「そうだよ。

早く座りなさいよ。」


私は、和也にも会っておきたかったから。


「………どういう風の吹き回し?」


「はは、変わらないね。

変わってなくて、少し安心した。」


生意気な口調が昔の和也と同じで

私は自然と笑みがこぼれた。


「………美鈴の笑った顔、久々に見たな。」


そういう和也の顔も、とても穏やかだった。


「…あのさ、実は昨日も違う人が面会に来たんだ。」


「え、誰?ママ?」


私の問いに、和也は首を横に振った。


「俺の、母さんだった。」


「………え?」


聞き間違いかと思った。

私は自然と目を見開いてしまったくらい

驚きの答えだった。


「驚きだろ。」


「当たり前じゃん!

それで、その人はなんて…?」


私は、恐る恐るそんなことを聞いてみた。



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