居場所をください。
「………俺を捨てたこと、謝ってた。
泣きながらに。」
「…そう…。
理由は?」
「聞いた。
………なんかさ、俺の父さんも
覚醒剤やってたんだってさ。
薬やって、酒飲んで
怖くなって俺を置いて家を出たんだと。
だから多分、俺をあそこにやったのは
父さんなんだと思う。」
「………そうなんだ。」
和也のことは今までずっとわからなかった。
手紙とかもなく、施設の玄関に
置かれてたらしいから。
それがひとつ、わかっただけでもよかったんだ。
「………父さんは薬いれてから
車運転したらしくて事故死したんだと。
だから…母さんは俺に泣きながら
もう二度と薬に手を出さないでって言った。
一緒に頑張るから、って。」
「………え?」
「弁護士を雇うから、執行猶予がついたら
一緒に家に帰ろうって。
俺に頭下げたんだよ。」
「………じゃあ、和也も…」
「俺はもうあの施設には戻れない。
執行猶予がついて戻っても、
後遺症とかで迷惑かけるだけだし。
だから、俺はもうあの施設を出ることにした。
あの人と…また1から頑張ることにした。」
そう、決意を固めた和也の顔を見て
私は無意識に涙を流していた。