居場所をください。



「………俺を捨てたこと、謝ってた。

泣きながらに。」


「…そう…。

理由は?」


「聞いた。

………なんかさ、俺の父さんも

覚醒剤やってたんだってさ。

薬やって、酒飲んで

怖くなって俺を置いて家を出たんだと。

だから多分、俺をあそこにやったのは

父さんなんだと思う。」


「………そうなんだ。」


和也のことは今までずっとわからなかった。

手紙とかもなく、施設の玄関に

置かれてたらしいから。


それがひとつ、わかっただけでもよかったんだ。


「………父さんは薬いれてから

車運転したらしくて事故死したんだと。

だから…母さんは俺に泣きながら

もう二度と薬に手を出さないでって言った。

一緒に頑張るから、って。」


「………え?」


「弁護士を雇うから、執行猶予がついたら

一緒に家に帰ろうって。

俺に頭下げたんだよ。」


「………じゃあ、和也も…」


「俺はもうあの施設には戻れない。

執行猶予がついて戻っても、

後遺症とかで迷惑かけるだけだし。

だから、俺はもうあの施設を出ることにした。

あの人と…また1から頑張ることにした。」


そう、決意を固めた和也の顔を見て

私は無意識に涙を流していた。



< 3,853 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop