居場所をください。



「は、なんで美鈴が泣くんだよ。」


「だって…、

和也とはずっと一緒だったから…

嬉しくて………」


嫌なこともたくさんあった。

和也を許したわけではない。

…だけど、一緒に育ってきた和也が…

寂しくて何回も泣いてた私を励ました和也が

親と一緒に暮らせる日が来たことに

私は心の底から嬉しかったから。


「………こいつ、なんだろ?

美鈴の兄貴って。」


「え?

………うん。」


和也の目線の先には長曽我部さん。

きっと、夏音から聞いていたんだと思う。


「俺も、美鈴に負けてられねーから。

前に進むことにした。

俺も美鈴と一緒で、迎えに来たら

一発殴ってやろうと思ってたけど

………実際目の前に現れたらできねーもんだな。」


「うん…そうだよ。

そんな気持ちよりさ、嬉しさが勝るんだよね。」


「だな。

………だからもう、俺は

美鈴に会うことがなくなると思う。

だけど、俺はお前の兄妹であり

幼馴染みであることには変わりねーから。

東京からは離れる。

でも、遠くからでもお前の活躍を応援してる。」


「………うん、ありがと。」


「ま、気が向いたら

ライブでも行ってやるから

…諦めんなよ、美鈴も。」


「和也に言われなくても諦めません。

………昔、約束したもんね。

私たちは絶対幸せになるって。」


「へー、覚えてることもあるんだな。」


「うっさいわ。」


「お前のそのくそ生意気な発言

もう聞けなくなると思うと寂しいわー」


「えー、そう?

私はせいせいするけどね。」


「かわいくねー女だな。」


「………元気でね。」


「おう、美鈴もな。

禁断症状なんかに負けてられねーわ。」


そういって、和也は立ち上がった。


「もういいです。」


そういって、検察の方と部屋を出ていった。



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