居場所をください。
「………だけどね、
中学に入るとその男の子からも
私は嫌がらせを受けるようになった。
学校でいじめられて
施設でいじめられて
本当に毎日が辛かった。
私の逃げ場がなくて
それからかな。親を憎むようになったのは。
………どうして私を捨てたんだ
どうして私をここに置いてったんだって…
憎んで、憎んで、憎んで………
…だから、私はいつもお母さんを待ってた。
いつか絶対殴ってやるんだって。
私はこんなにひどい仕打ちを受けたんだって
あなたのせいだって、責めたかった。
………私はそうやって、ずっと親に
甘えてみたかったんだと思う。
…………それが、私の幼少期。
中学生になって、居場所がなくなった私は
ひたすら勉強だけをしてきた。
イジメなんてレベルの低いことをする人がいない
レベルの高い高校に入りたかった。
だからひたすら勉強だけをしてきた。
で、担任の薦めで第一高校に進学したの。
…だけど、そこでも嫌がらせを受けた。」
高校の名前を出してこんなことを
テレビでいうのは間違ってる。
そんなのわかってる。
それでも、私はもう隠したくなかった。
「…友達なんかできなかった。
だけど、そんな私に笑顔で話しかけてきた子がいて
その子は私にいったの。
親がいなくたって、幸せにはなれるよ。
だからそんな怯えなくていいんじゃない?
って。
私、ずっと牙ばかりむけて来たから…
そんなこと言われたことが嬉しくて
私はその子と友達になったの。
その子が、私にとって初めての親友だった。」
夏音は私にとって、
本気で心の底から信用できる
大好きな友達だったんだ。