居場所をください。
それからとりあえずトイレにいって
自分んちだから遠慮なくお茶も飲んで
軽く打ち合わせをして撮影再開。
しかも、まだ一時間たってないくらいなのに
もうラストの締めシーン。
いったいどんだけVを使うつもりなのか………
「では撮影再開しまーす
5..4..3..」
ふぅー、あと少し。
これが終わればまた買い物だ。
頑張れ、私。
「…では最後に、美鈴の今後の目標と
二人の結婚時期について教えてください。」
「はは、結婚時期って。
ただただ未定ですとしか答えられないけど。」
「まぁその時が来たらとしか言えない。」
と貴也も笑うだけ。
その時が来ればいいけど。
永遠を共にする相手が貴也ならいいけどね。
「今後かぁ。あんまり考えたことないや。
でも、私は私を求めてくれる人のそばで
その人にしがみつくために、
いつもがむしゃらに頑張ってくだけ。
へたくそでも、笑われても
私は私、五十嵐美鈴として
いつか迎える最期を笑顔で過ごせるように
胸はって、自分らしく頑張るよ。
万人に受けようと思わない。
万人に好かれるために自分を変えることだけは
したくないかな。生意気だけど。」
少しイビツでも。歪んでても曲がってても
他の人と違ってたとしても
私は私らしくいたい。
「いいじゃん。
俺そういう美鈴のが好きだよ。」
………なんて、貴也のサービスカット付きで
撮影は終わった。