居場所をください。



「肝心なのはそこじゃねぇ。

枚数見てみろ。」


「んー?

……え?」


待って…桁間違えてないか…?

まだ発売して1週間だよ…?


「ただ沖野さんの初動売り上げ330万枚は

越えられなかったな~。」


そうやって悔しそうに語ってるけど

それは日本の持つ最高記録であって…


「ま、でも初動売上で300万枚超えりゃ

十分すぎるくらいだけどな。

このCDの売れないご時世に。」


私の304万枚という記録も

十分すぎるくらいの枚数だ……


「まぁベストだし、

売れるかなーとは踏んでたけど

予想を遥かに越えたな。

またボーナス出るだろうな。」


「……佐藤さーん!!」


「待て。」


この喜びを佐藤さんと分かち合おうと

叫んで走り出そうとしたのに

佐藤さんもこちらを向いたのに

私の首には長曽我部さんの腕が

巻き付いていた。


「な、なんでしょう…」


「これも見ろ。」


そういって出したのは

パソコンの画面だった。


「なに、このグラフ。」


「お前の体重だ。」


「へー、見事な右肩下がり。」


「じゃねーよ。

見てみろよ、お前の身体。ガリガリだろ。

ったく、もうサイズはかり終わったのに

今さらそんな痩せてんじゃねーよ。

今日なんて38.5じゃねーか!

お前な、身長が162あるんだから

せめて43くらいまで増やせっつったろ。」


そう言われてもねぇ。

食べる量は増えないのに

動く量は増えてるんだもん。

そりゃ減るさ。



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