居場所をください。



「……ねぇ、高橋。」


「あー?」


「あんたはさ、私の自慢の友達だよ。」


「なんだよ急に。めずらし。」


「…一高での思い出なんてなんにもなかった。

たった2ヶ月しか過ごせなかったから

テストしかなかった。

でも、この前の一高祭で高橋と朔也のおかげで

本当に楽しかったんだ。

あんな風に、みんなでなにかをすること

私には全くなかったからさ。

私をスタートに選んでくれたの

本当は高橋なんでしょ?

じゃなきゃおかしいよね。

担任は高橋と朔也が待ってるって言った。

朔也はずいぶんと用意よく学ランを用意してた。

ウィッグはあって当然だけど、

制服はどう考えてもおかしい。

あの用意されてたサンダルはもっとおかしい。

制服は男なのに、靴のサイズは女だった。

……ちゃんと考えてくれてたんでしょ?」


そもそも、フラッシュモブをやるなら

もう少し人が集まるところを選ぶはず。

それこそ、食堂とか。

グラウンドなんて天気に左右されるところ

他のクラスが使うなんて思えない。

人が集まるとは思えない。

それでもあそこを選んだのは

私がみんなにバレないようにするため。

あえて人がいないところにしたんだ。

そうじゃなきゃ

私が来る前に、演奏は始まってしまうから。

どんだけ変装してたって

化粧した顔は隠せないから。


「……意外とバカじゃないんだよなー、美鈴って。」


やっば、ね……



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