居場所をください。



「はい。で、なんでしょう?」


「これ、何色がいい?」


「んー?」


……なにこれ、着物?

いや、振り袖…か?


「成人式はまだだけど。」


「アホか。

衣装、どれがいいかっつー話。

まぁ正月も着れるし

社長もこれで挨拶来てほしいらしくて

社長のおごりで美鈴の私物になるから

ちゃんと選べよ。」


「でも、成人式まであと1ヶ月でしょ?

こんな時期に買えるの?」


「高い呉服屋はいつでもあるもんなんだよ。」


「へぇー…

そういえばハルはもう少しで成人式だ。」


ハルは袴とか着るのかな。

……着るよね、きっと。

スーツっぽくないもん。

俺一番目立ちたいから!みたいな性格だし。


「で、どれがいいんだよ。」


「ちょっと待ってー。

じっくり選びたいもん。」


んー…

赤とかピンクもかわいいけど

青とか緑も綺麗だよなぁ…


……でも、私はやっぱり…


「美鈴ちゃんなら白だよね。」


「あれ、佐々木さんもそう思う?」


「うん。」


赤とかだいすきなんだけど

私はやっぱり白がいちばんだ。


「あ、この色のやつで

牡丹の花のがいい。

ゴールドの刺繍?も綺麗だし!」


「帯はこの赤のとかは?」


佐々木さんは別冊の帯ページを開き

赤ベースのゴールド模様のものを

指差して渡してきた。


「あー、かわいい!

絶対かわいい!」


さすが私のスタイリストというか

好みが抜群に合う。


「……意外と早く決まってんじゃん。」


でも、振り袖っていくらなんだろ。

買うと高いっていうよね。


結納というものがあるなら

そこにも着ていけるけど

もし貴也とそうなったとしても

両親がいない私たちにとって

結納は…ねぇ?

まぁ社長はいるけど……



< 4,040 / 4,523 >

この作品をシェア

pagetop