居場所をください。



「あのー、え?

今ライブ中だよ?わかってます?

カメラ入ってるよ?生放送だよ?」


「知ってる。」


「そういうのって普通

なんか二人きりで…とかじゃない?

今言うの?それを。」


「それじゃ間に合わないかと思って。」


「……どういう意味?」


「美鈴がまた孤独を感じる前にと思って。

……明日、1月2日に美鈴の保護者が籍を入れる。

美鈴はそれをずっと気にしてたから。

あの人には別の家族ができる。

そしたらまた一人になるって

美鈴はずっと考えてたんじゃないの。

だったらその前に、と思った。

一緒に住み初めてもうすぐ半年経つのに

美鈴の中の家族はあの人だけだった。

俺にはもう美鈴しかいないのに

俺は美鈴の中にはずっと入れなかった。

それがすげー悔しかったんだよね。

……まぁ、それを長曽我部さんに愚痴って

結果が今なわけ。


俺は生半端な気持ちで同棲してるわけでもないし

親に会わせたわけでもない。


いつまでたっても

居場所を見つけられない美鈴に

俺が居場所を作ってやりたい。

俺はもうどこにもいかないって

美鈴を置いていったりしないって

心の底から誓うから

この会場にいる全員の前で誓うから」


もう、その言葉に

私の目からは涙が溢れてしまった。

知らぬ間に、溢れていた。


「"居場所をください。"なんて

俺がもう書かせたりしないから

……だから俺と結婚しよ。」


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