居場所をください。
━━コンコン
「ママ、美鈴。ちょっといい?」
「うん、開いてるよー。」
「お邪魔しまーす。」
そういって私はママの部屋のドアを開けた。
「どうしたの?
それに松野くんも。」
「あー、うん。」
と、とりあえず貴也も部屋にいれて
私たちはママの座るソファの前に
腰を下ろした。
「ママ、私この人と結婚するね。」
16年間、育ててくれた親への
ご報告のために。
「……そう。よかったね。
まさかこんなに早く
美鈴の夢が叶うことになるなんて
思いもしなかったよ。」
「私も。」
だって、私が恋して
誰かと生活を共にするなんて
想像できなかったしね。
「最初、美鈴がここから出てくといった日
ママは本当は反対したかったんだ。
美鈴には、みんなと同じ道を
歩いてほしかったから。
芸能界なんて不安定な世界
選んでほしくなかったの。
……でもね、美鈴の"ここにいたくない"
って思いが痛烈に伝わってきて
ママはなにも言えなくなってしまった。
そんな思いを抱えたまま、
美鈴がここを出ていくことも嫌だったけど
なにも言えなくて…受け入れるしかなかったの。」
………そう、だったんだ…