居場所をください。
「ま、一応社長にはお世話になっていますので
こちらをどうぞ。」
と貴也は丁寧なんだか雑なんだか
中途半端な態度で
社長に御年賀を渡した。
「お気遣いどうも。
ま、座ってて。飲み物を…」
と言いつつ、社長は
誰かに頼んでるんだけどね。
しかも出てきたのはコーヒー。
お茶とかにしてほしいところだよ。
「社長、明けましておめでとうございます。
今年もどうぞ、よろしくお願いします。」
と、まずは挨拶から。
なんてったって社長だからね。
「明けましておめでとう。
こちらこそ、今年もうちの事務所で
たくさん働いてな。」
「ほどほどでお願いしまーす。」
「で、これお年玉な。
挨拶に来てくれたし。」
「え!うそ!いいの?
ありがとう!」
と、遠慮なく受け取った。
貴也がいくら稼いでるかなんて知らないけど
いくら稼いでいたとしても
やっぱり誰かからもらうお金は嬉しいものだ。
とりあえずこれはバッグにしまって、と……
「あ、社長。
振袖ありがとうございました。」
「あぁ、いいよ。
なんか結構前に貴也から
話を聞いてはいたから。」
「話?」
「美鈴と結婚したい、って。」
「え、そうなの?」
結構前からって、そんな前から?
そんな前から考えてたの?