居場所をください。

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「ちょいトイレ。」


「おう。」


それからライブは過ぎていき、

あっという間に幕は下りた。


たった今幕が下りたと言うのに、

もうすでにアンコールで会場は大盛り上がりで

なんつーか、元気だな…としか思えない。


裕太はトイレだし暇だわ。


アンコール、幕を開けるのは

確か8分～12分。

……その間ずっとコールしてんの？

まじで？

…すげーよな、本当…



「戻った～。」


「はや！」


「まぁすぐそこにあったし。

それにトイレ中に始まったら最悪じゃん。」


「まぁ、そりゃわかんなくはねーけど。」


「ってかさー、瑠樹って何回か来たことあんの？」


「あー…まぁなくはないけど。

なんで？」


「慣れてる。」


……そりゃそうだ。

実際、初ライブもその次も、一高学園祭も

何回も何回も美鈴のライブを見てきたわけだし。


「裕太こそどうよ。

初めての五十嵐美鈴は。」


「いや、やっぱすげーな！

なんで俺らの学校にはあんなかわいい子いねーの？

ってか全くタメに見えねーんだけど。」


「なんだそれ。」


かわいい、ねぇ…

あんな気の強いギャル、

俺は全然タイプじゃねーからわかんねーけど

まぁ客観的に見ればそりゃ可愛い顔してんのかな。