居場所をください。
で、結局美鈴も加えて昼飯。
おかげで佐藤との仕事の話も終了。
佐藤はちょうどいいや、なんて言ってファイルから次々とアンケートを取り出した。
「旅行行く前までに出してね。」
「だから量。なんでこんなあんの。」
「それとこっち。
グッズのイメージとかあったら描いてね。おまかせの場合でも"とくになし"とか書いてね。
タイトルとか決まっててもこっちにお願い。
それからー…」
「え!まだあるの?ライブ?」
「うん、そうだよ。
旅行から帰ってきたらすぐ打ち合わせだし、今から決めないと間に合わないよ。
今回は長曽我部さんがいないんだから。」
「え!長曽我部さんいないの!?」
「いや、プロデュースはするけど。
でも俺はもうお前のマネージャーじゃねーし、グッズとかは俺ほ担当でもねーし。
今年のツアーは俺がお前のマネージャー時代から動いてたから俺もやってたけど、次回からは違うしな。」
「うわー、まじかー…」
……っていうか、5周年過ぎたら美鈴一人でプロデュースできるようになってほしいとこなんだけど。
向上心をもっと持ってくれよ。
「…ま、やるしかないか。」
そういってサラダうどんを口に含みつつ、渡された大量の書類をすする美鈴。
ま、ライブはどうしても忙しくなるわな。
全部自分で作っていくんだから。
「あ、そうだ長曽我部さん!
今日暇!?」
「相変わらず、俺にそんなこと聞くのは美鈴だけだよ。」
「う……」
そうそう、お前も知ってるだろ?
俺が忙しいことをさ。
「……もしかして、旅行の買い出し手伝えとか?」
「よくわかってらっしゃる!!」
「前にハワイ行くときに買ったろ。」
「だって水着とかないし。」
「そういうのは俺と買いに行くなよ」
「だってほかに行く人いないんだもん。
貴也は休みないし、高橋はさらに一緒にいけないし、藍子は仕事だし。
友達いないんだから仕方ないじゃん。
かといって水着って買ったことないから一人じゃ不安だし。」
「……ったくしかたねーな。
じゃあ終わったらここに来いよ。」
「え!いいの!?ありがと!」
はいはい。
……はぁ、またこれで残業だよ。
日付が変わる前に帰れりゃいいけど…ま、美鈴と買い物も久しぶりだし、いいか。
「はい、美鈴ちゃん急いで食べる。
次の仕事間に合わないよ。」
「え!もうそんな時間!?」
「もうそんな時間。
急いで急いで。」