婚約者は高校生
沙梨はかばっと顔を上げると俺を真っ直ぐに見た。
「私より婚約者が魅力的なんですか」
いや、魅力的とかそんな問題じゃなくて。
婚約者がいる時点で諦めるという選択肢はないのか。
呆れが先に立ち、何も言えないでいると沙梨は「そうなんですね」と小さくつぶやき、スウッと息を吸い込んだ。そして、
「…どんな方なんですか?私より上だという理由をお聞きできないと納得できませんし、いるというなら証拠を見せてくれませんか?」
矢継ぎ早に質問を繰り出してきた。
………。これは…。
婚約者がいるかどうか疑っているのか。
しかし、証拠といっても…ああ、写真が数枚あったか。
…でもこれは見せられない。
彼女との写真はデートの証拠写真としてお祖父さまに見せるために撮ったものだし、なにより写真の彼女はあどけない少女だ。大人っぽさには程遠い。
しかも一緒に映る俺は不機嫌な顔だ。妹には見えても、恋人には見えないだろう。
こんな写真を見せても到底沙梨は納得しないだろうし、これが噂になって俺の評判が落ちるのは避けたい。
…ということは、だ。このままでは彼女は俺の虫除けとして役にたたないじゃないか。
彼女がもう少し大人だったら、こんなに考えることもなかったはずだ。
ま、そんなことを言ってもいきなり彼女が大人になれるはずはない。要は大人に見えれば良いのだ。
はあ。面倒だが仕方ない。
一枚でも彼女の大人っぽい写真を撮ればこれからこういう事があったときに返答に困ることはないだろう。
写真を見せながら、可愛い子だろ?とでもデレデレしながら惚気ればさすがに「やってられないわ」となるだろう。
デレデレ…俺にできるかわからないし、やりたくはないが必要ならそう…せざるを得ない。
となると、まずは彼女の大人っぽい写真が必要だな。
とりあえず、今はこの場をやり過ごすことが先決だ。
俺は再び業務用の笑顔を貼り付けると、やんわりとした口調で語りかける。
「証拠といわれても写真などは今、手元にありませんから…またの機会にお見せしますよ」
またの機会、っていってもいつになるかわからないけどな。
にっこり笑いながら毒づく俺に気付くことなく沙梨は「わかりました」と頷いた。
「私より婚約者が魅力的なんですか」
いや、魅力的とかそんな問題じゃなくて。
婚約者がいる時点で諦めるという選択肢はないのか。
呆れが先に立ち、何も言えないでいると沙梨は「そうなんですね」と小さくつぶやき、スウッと息を吸い込んだ。そして、
「…どんな方なんですか?私より上だという理由をお聞きできないと納得できませんし、いるというなら証拠を見せてくれませんか?」
矢継ぎ早に質問を繰り出してきた。
………。これは…。
婚約者がいるかどうか疑っているのか。
しかし、証拠といっても…ああ、写真が数枚あったか。
…でもこれは見せられない。
彼女との写真はデートの証拠写真としてお祖父さまに見せるために撮ったものだし、なにより写真の彼女はあどけない少女だ。大人っぽさには程遠い。
しかも一緒に映る俺は不機嫌な顔だ。妹には見えても、恋人には見えないだろう。
こんな写真を見せても到底沙梨は納得しないだろうし、これが噂になって俺の評判が落ちるのは避けたい。
…ということは、だ。このままでは彼女は俺の虫除けとして役にたたないじゃないか。
彼女がもう少し大人だったら、こんなに考えることもなかったはずだ。
ま、そんなことを言ってもいきなり彼女が大人になれるはずはない。要は大人に見えれば良いのだ。
はあ。面倒だが仕方ない。
一枚でも彼女の大人っぽい写真を撮ればこれからこういう事があったときに返答に困ることはないだろう。
写真を見せながら、可愛い子だろ?とでもデレデレしながら惚気ればさすがに「やってられないわ」となるだろう。
デレデレ…俺にできるかわからないし、やりたくはないが必要ならそう…せざるを得ない。
となると、まずは彼女の大人っぽい写真が必要だな。
とりあえず、今はこの場をやり過ごすことが先決だ。
俺は再び業務用の笑顔を貼り付けると、やんわりとした口調で語りかける。
「証拠といわれても写真などは今、手元にありませんから…またの機会にお見せしますよ」
またの機会、っていってもいつになるかわからないけどな。
にっこり笑いながら毒づく俺に気付くことなく沙梨は「わかりました」と頷いた。