魅惑な彼の策略にはまりました
この気持ちって、きっとそうなんだ。

もどかしくて、胸がつぶれそうになる。
ものすごく浮かれているのに、不安で。
切ないのに、顔を見たくて。

そっか、そうなんだ。

私、やっぱり宗十郎が“好き”なんだ。

いつの間にか、こんなに好きになってたんだ。

恋は劇的に蘇生した。
振り返ればいつもあったものが、気付いたら手の中に転がっていたような感覚だ。

ああ、もう口を閉ざすことはできない。


「留美子、育江。私、本社に戻る」


私がすっくと立ちあがると、表情から何か読み取ったのか、二人がにっと笑った。


「はい、締めは任せてください!」


「ごめんね、よろしく」


バッグを持って、スタッフルームを飛び出した。

もう座ってはいられない。
待ってなんかいられない。

元肉食女子が受け身のままでいたら、らしくない。
格好悪いもん。

走れ、恋にはそのパワーがある。

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