魅惑な彼の策略にはまりました
「そうだ!ほら、アネラが入ってきたらどうするの?あんた誤解されちゃうわよ!?」


アネラの名前を出せば引くかと思いきや、宗十郎はまったく堪えていない。
唇を私の頭頂部に当て、ふーっと息を吐く。生暖かい感触に「うひゃっ」と間抜けな声が出た。


「四季、今の声、意外で可愛い」


「そうじゃなくて!」


「アネラなら、別に見られてもイイよ」


「あんたはよくても、こっちは困るの!」


宗十郎にベタ惚れっぽいアネラが、この光景を見たら……ぞっとする。
私みたいな年増に、愛する宗十郎を渡すかと修羅場勃発に違いない。

ああ、せめて、このメイクルームの鍵をかけてくるんだった。


「アネラに嫉妬した?」


宗十郎がわけのわからないことを言ってくる。その表情は見えない。


「なんで、嫉妬するのよ。若さと美貌に?今更でしょ?」


「そうじゃなくて、さっき俺とアネラが仲良くしてたじゃん。嫌な気持ちとかならない?」


何を言い出すか、この男。
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