魅惑な彼の策略にはまりました
「たぶん、四季は俺といたら寂しくないと思うよ」


酔った宗十郎は、普段見せないような無邪気な笑顔で言った。


「俺は四季といたら、この先ずっと寂しくない」


何を根拠に言い切るのだろう。

だけど、その言葉は胸にずしんと響いた。

寂しくない。なんだか魔法の言葉みたい。ずっと、聞きたかった。

白鳥に戻ってしまうオデットを繋ぎ止めたのは王子の愛だった。
宗十郎、私の呪いを解こうとしてくれているの?

ひとりは嫌、誰でもいいから一緒にいて。
カチコチの心が孤独を唱えながら暴走する。
そんな、自分でかけて解けなくなった呪い。


……待って、惑わされないで。


宗十郎は元々寂しくなんかない。

こいつはひとりで平気な男。
女なんか、一時の快楽の共有でしか相手をしない。

今、こいつがこんな軽口をはいているのは、酔っているから。そして、友達としての同情だ。


私は息を吸い込んだ。

そして、次の瞬間、間近にある宗十郎の額にガッツンと頭突きをかました。
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