魅惑な彼の策略にはまりました
食後、宗十郎はボディバッグからアイブローとアイライナーをとりだす。
ベンチに座る私の前にひざまずくと、私の眉を直し始めた。


「前から思ってたんだけど、眉はもっと太いほうがいいよ」


確かに私の眉は細くて弓なりで、少しつり上がっている。


「このほうが目の形、綺麗に見えない?」


「太い方が落ち着いて見えるし、トレンド感がある。って言っても、ここをちょっと描き足すだけ。簡単だろ?アイラインもいじるぞ」


宗十郎がコンパクトミラーを見せてくれる。

さすがにメイクボックスは持っていないけれど、女子並みに揃えられた道具に驚く。
考えてみたら、付き合いは長いのに、メイクしてもらったのは初めてだ。


「あ、なんか雰囲気変わったかも」


私はミラーに映る自分を見つめてほうっと息をついた。
年相応に落ち着けって意味かと思ったら、なんだ、ちゃんとオシャレなお姉さんに仕上がってる。
眉頭と目尻の感じが劇的に柔らかくなった。
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